2018年5月24日木曜日

心理学とヨーガ。

ヨーガ(もしくはヨガ)と言えばアーサナと呼ばれる体操や呼吸法など、身体の健康とイメージされる方もまだ多いのではないでしょうか?

しかし、いわゆる西洋心理学よりも遥か昔、4000年以上も前にすでにヨーガの世界では心と身体と霊性という視点で、人間の心身構造を説明しています。またそれらは構造だけでなく、いかに上手に動かすかとい部分まで踏み込んで説明されているのです。

不安や怒りといった感情に振り回されたり、~しなければならないとか、こだわりといった思考に振り回されたり、肩書や会社に自分という存在を結び付けて振り回されたりといったことは誰にでもある事です。

これらの働きが過度になったり、悪循環を生みだした時、私たちはストレスを感じ、場合によっては、それによって身体症状が発症したりと様々な問題を引き起こすのです。

一般的によくみられる心理学では、こうした場合、分析的に解明する試みがはかられます。それは行動の分析であったり、感情や思考の分析であったり、前世の分析であったり。いずれにせよ、分析して原因を探すという事を行います。

もちろん、方法は違えど、ヨーガでも分析的に自分を見つめる作業はあります。しかしそれは原因を探すというのではなく、その構造を知るという意図で行います。いかに上手に制御しながら運転できるかという目的のためには、まず最初に構造をよく理解しておくことが必要だからです。

この構造を知り運転をするプロセスこそがヨーガであり、その究極的なゴールは悟りです。このプロセスは、身体、心、霊性にいたるまでシステマチックに体系づけられていて、ヨーガの体操や呼吸法というのはこのシステムの一部なのです。

こうした人間の捉え方が約4000年前から現在に至るまで残っているという事は、時代を越えても役立つ智慧であり技術だからだと思います。ヨーガという言葉には<つながる>という意味がありますが、ヨーガという本質には技術という側面があり、その技術は現代人が抱える問題にも充分対応できるものです。古典文学など読んでいても、昔に比べれば文明の技術は飛躍的に発達しましたが、人間の悩みっていうのは、そんなに変わってないですしね。

どうしてもヨーガというと美容や身体的な健康、超人的な力、超越的な存在などに目が行きがちですが、日々の暮らしの中で起きる色々な問題にも充分対応できることを知ってもらえると嬉しいなと思います。

余談ですが・・・潜在意識で有名な精神科医のジグモント・フロイトが潜在意識に気づいたのは1800年代。ヨーガの文献で潜在意識の事に触れているのは約4000年前。また、夢の分析で有名な心理学者のカール・ユングはインドでヨーガの考え方を学んで夢の分析に取りかかっています。ちなみに、一時期ユングはフロイトの弟子でした。いずれの西洋心理学の巨匠たちも、近代に入ってから東洋の智慧を学んだ心理学者たちなのです。






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