2018年7月20日金曜日

セラピスト・ボディワーカーに必要なコミュニケーション。

セラピストやボディーワーカ―と言われる人は自分の専門技術や専門知識の向上に余念がありません。もの凄いスピード感で進む技術についていくため、クライアントさんの症状の緩和や改善のために、技術や知識を磨くことは非常に大切な事です。

ただし、知識や技術が向上したから、それがそのまま施術の効果に反映されるかと言えば違うと言わざるを得ません。実際、それほど向上に力を注いでいなくても、いつも施術の成果を出されているセラピストの方もいます。

これはどういうことなのでしょうか?

自分の技術や知識を磨くことを大なり小なりすることは大前提ですが、それにもましてセラピストに求められるのが、クライアントさんとの“かかわり方”です。

それはセラピストが醸しだす雰囲気もありますし、香りや環境などの場の力もあると思います。でも実はそれ以上に大切な事が “ことば” です。しかし多くの場合、“ことば” をないがしろにしがちです。

それは私たちが日本人で、当たり前に日本語が話せるからということもありますし、誘導的になるのを恐れて “ことば” を使いたがらないという側面もあります。

例えば、セラピーの場面ではよく “寄り添い” という言葉が使われます。ほほ笑みを浮かべてうなずいているだけの人も見受けられますが、果たしてこれが寄り添いなのか? と疑問を持つ場面が多々あります。

本人の語りを聞く事は非常に大切です。話すことで気づくこともあります。ただし、本人が何が問題なのかに気づいていない事の方が圧倒的に多いことを忘れてはいけません。話しながら堂々巡りを繰り返し、悪循環を断ち切れずに深みに入っていく場合も多いのです。厄介なのはセラピスト自身も一緒に深みに巻き込まれてしまい、そこから上がれなくなる人もいます。

どこかのタイミングでセラピストが適切な “ことば” を投げかけていれば、このパターンは防げた可能性は大いにあります。

または、上手に言葉を使えてないパターンとしては、クライアントの語りを受け、その原因に対して直接的にアプローチをかけようとするパターンです。しかし、先に書いたように多くの場合、何が問題なのか気づいていないため、全く整理されていない時点で原因にアプローチをしようとしても、やはり堂々巡りに落ちいってしまうのです。

他には、強烈にポジティブな事を発信し続けてしまうというパターンもよく見受けられます。特に自信のあるセラピストや、ある種のカリスマ性のあるセラピストにありがちな事です。薬を止めるように指示したり、症状=悪!症状が無くなる=善!という勢いで押し通すような感じです。

もちろん、辛い・不快な症状を改善したいと思うのは当然ですし、その為に施術を受けにきているわけですから、それは重要なことです。しかし、人間の心はそんなに合理的ではないという事もまた事実です。そうなってくると、その人の心のスピードを無視して肉体的な症状だけ改善させていくことが果たして最善策なのかは疑問が残ります。

心の治癒力と身体の治癒力は両輪です。
身体の治癒力を引き出すのと同時に上手に心の治癒力を引き出す、そんな関わり方をセラピストはもっと意識してもいいはずです。

そして、そうした関わり方はクライアントさんのためだけではなく、セラピスト自身を疲弊や怒りから守ってくれる手段となります。

今、クラアントさんとのコミュニケーションで困っているのであれば、今がその時かもしれません。セラピーの場面で必要なコミュニケーションは友達の相談にのっている時のそれとは全く違うのです。一度、クライアントさんとのコミュニケーション法を見直してみませんか?


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ホリスティック医学協会副会長で、現彦根市立病院緩和ケア部長の黒丸尊治先生が提唱されているコミュニケーション法に触れてみませんか?黒丸先生が心療内科医時代、薬をそれほど使わずコミュニケーションで治療をされていた経験から構築されたコミュニケーション法です。ベースになっているのはブリーフセラピー(短期療法)ですが、そのままでは日本人には向かない点もあり、臨床現場に即して作り上げられたものです。

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